購入時にはスライド管すべてが固着していたRaw BrassのCONDORだったが、沸騰したお湯(熱湯の扱いには注意!)をかけて、タオルをスライド管に掛けて引っ張ると、 1st.2nd.3rd.のValve Slidesは問題なく抜けた(グリス等が残っていれば、温めてやれば大体抜ける)が、Main Tuning Slide(主管抜差内管)だけが抜けなかった。 ↑抜けたスライド管たち(2024年10月13日) ※ 緑色の日付はすべて2024年のものです。 ※ 写真画像の色の違いは、撮影場所や時刻の光線の違いによるところが大きいです。 (まあ、何とかなるやろ)位に気軽に考えていたが、実はなかなか手強かった。 下の写真画像のように、熱湯をかけ、タオルを掛けて引っ張ってみても抜けそうにない。一度、タオルの方が『バリッ!』といって真っ二つになったこともあった。 ま、使い古したタオルではあったが…。 ↑タオルを掛けて引っ張った(10月21日) 上の画像では、タオルを支柱に掛けているが、主に抜差管の方に掛けて引っ張った。(抜けなかったので、支柱に掛けて引っ張りもしてみたが、どちらでやっても全く抜けそうになかった) もう、1週間ほど経つが、実は、毎日オイルを挿してはいた。楽器屋で勤めてたテニス仲間に、 「浸み込みやすいオイルをさしてやれば抜けます。シリコンオイルがいい」と教わったからだ。ただ、 「一か月くらいかかるときもあります」とも言われた。 ↑10月25日の固着部 最初は浸み込みやすそうなバルブオイルの軽いの(ヤマハのValve Oil SUPER LIGHT)を挿していたが、特に変化は感じられなかったので、100円ショップで買ってたミシン油をつけて見た。 ↑10月26日の固着部 管を熱湯で温めてタオルで引っ張ってみたが変化なし。 前日同様、ミシン油をつけた。 ↑11月1日の固着部 管を熱湯で温めてタオルで引っ張ってみたが特に変化なし。 後にMULBERRYのZAJA Oilとミシン油をつけた。 ↑11月2日の固着部 管を熱湯で温めてタオルで引っ張ってみたが特に変化なし。 後に玄関にあったCRCの5-56(バイクや自転車用に買った油)をつけてみた。 ↑11月3日の固着部 管を熱湯で温めてタオルで引っ張ってみた。気のせいか、右側の方が少し開いてきたような…。 ←部屋のカーテンレールに吊るした(11月3日) 少しでもオイルが浸透し易いように部屋のカーテンレールに吊るしてみた。浸透圧とかを考慮すると、気休めに過ぎないとは思うが…。 上側の写真を今見ると、支柱の位置も少し上方に移動してる(Main Tuning Slide自体が歪んでる)ように見えるが、当時は全く気付かなかった。 (まだダメかー…)って思いの方が強かったのだ。 後にCRCの5-56を挿した。 (この後、時々寝る前にCONDORを吊した) ↑11月5日の固着部 管を熱湯で温めてMain Tuning Slideを、指をかけて引っ張ってみた。結構頑張ったので、右側が少し開いてきた!(この写真でも支柱が上方に上がって、Main Tuning Slide自体が歪んでるように見えるが、その時は気付かなかった) その後、量販店に行って、『CRCのシリコンスプレー(KURE CRC SILICON SPRAY)』を買ってきた。(もう一か月弱になるけど、まだ開かないので『シリコンオイルが浸透性が良い』と言ってたテニス仲間の助言に従って…) もちろん買ってきたのをスプレーした。 ↑11月6日の固着部 管を熱湯で温めてタオルで引っ張ってみたが特に変化なし。(若干右側パイプの左側が開いてるのかも) 後に、前日買ってきた『KURE CRC SILICONE SPRAY』をつけて吊した。 ↑11月7日の固着部 管を熱湯で温めてタオルで引っ張ってみたが特に変化なし。前日は開いてきた気がしたのに…。(さすがにこの頃には、支柱が上方にずれていることには気づいたが、Main Tuning Slide自体が歪んでるとは思わなかった) 後に、KURE CRC SILICONE SPRAYをつけて吊した。 ↑11月9日の固着部 管を熱湯で温めてタオルで引っ張ってみたが特に変化なし。 実は前日、力自慢(?)のテニス仲間に、 「これ引っ張ってみて!」と言って、本体のシリンダー側を持って、Main Tuning Slideを思い切り引っ張ってもらった。『自分の非力が原因で抜けないのかも…』と思ったからだ。 「うーん、抜けん!」 「これはいかん…」二人ともダメだった。(少なくとも、そのうちの一人については、握力計の測定値が、自分の値以上だったことは確認済み) 残念…。 後に、KURE CRC SILICONE SPRAYをつけて吊した。 ↑11月11日の固着部 管を熱湯で温めて手で頑張って引っ張ってみたが、特に変化なし。 後に、KURE CRC SILICONE SPRAYをつけて吊した。 ↑11月18日の固着部 管を熱湯で温めて手で頑張って引っ張ってみたが特に変化なし。 後に、KURE CRC SILICONE SPRAYをつけて吊した。 ←車に手伝ってもらって抜けた!(11月28日) 一か月以上は経ってるし『このままじゃ埒が明かん!』という気になって、もっと大きい力を加えられる仕組みを考えれば、抜けるんじゃないかと思いだした。『トランペットの本体側を(力の強い)誰かに持ってもらってて、 自分がMain Tuning Slide側に力を加えれば抜けるかも』と思い、『誰か』というのを『気軽に頼める自分の車にしてもらえば良い』と気付いた。 そもそも車のシートベルトは100kgw以上の力に耐えられるはずだし、 (トランペットの本体側(シリンダー部分)をシートベルトで固定すれば、Main Tuning Slideを力任せに引けば、抜けるかも…)と考えたのだ。実行してみた。 「うーん…」手をSlideに掛けて、力任せに引いたがダメだった。 (体重が73kgあるから、体重全体がかけられれば抜けるんじゃないか…)そう考えて指の代わりになるものを探した。あった!ギターストラップだ。 (これなら、二重に巻けばSlideの広範囲に力が加わるし、丈夫。何より力をかけやすい)ということで、実行。(正直CONDORは、普通のトランペットよりMain Tuning Slideの幅が狭いし、おまけに支柱がついているので、ストラップの二重巻きには苦労した) ギターストラップを、Slide側に何とか二回くぐらせて、両手で持ち、体重をかけていくと…。抜けた!! 自分自身が斜めになるくらい体重をかけ、車が少し浮き上がるように揺れた時、スッと抜けたのだ。 その時に抜けたスライド管を見ると、全体がオイルで濡れているようだった。 (やっぱり、オイルは浸透してきてたんや…) ↑チューニングはできるようになった! 色んなオイルを使ってしまったので、どのオイルがどれだけ浸透してきてたのかは不明だが、とりあえず固着していたMain Tuning Slideを外すことはできた。 ↑普通の状態(これ以上閉まらないが、どうせ調音時抜くし…) これで目出度くチューニングができるようになった!固着してた時は、この楽器でA(440Hzの音)を出すと、やはり高かった。『楽器自体の音は悪くないし、何とかいろんな場面で使えるようになれば』という思いでチャレンジした(実はもっと簡単に外せると見くびってた)が、 何とかハッピーエンド。 ま、Main Tuning Slideの形状(スライド自体の歪み)については、さほど音には影響はなさそうだし、言われなければ分かんない程度なので、気になったら直すということで…。 (Jan. '25) ※ これによって生じる、いかなる不利益も補償いたしませんので、トライされる方は自己責任でお願いします。