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スライド管固着の解消2
[NIKKAN IMPERIALE CORNET Bb]
  オークションでgetしたインペリアル・コルネットを確認するといくつかの抜き差し管が固着していた。(と言うより、まともに動いたのは1st管だけだった…。残念!)

Center of the NIKKAN IMPERIALE CORNET (Before processing)
↑IMPERIALE CORNETの中央部分(処理前)

  Raw BrassのCONDORの『51.スライド管固着の解消』のとこでやったように、沸騰したお湯(熱湯の扱いには注意!)を固着したslide部分にかけて、タオルをスライド管に掛けて引っ張ると、 2ndと3rdのValve Slidesは何とか抜くことができた(グリス等が残っていれば、温めてやれば大体抜ける)が、Main Tuning Slide(主管抜差内管)だけが抜けない。

KURE CRC SILICON SPRAY ←CRCのシリコンスプレー

  そこでシリコンオイルの登場!CONDORの主管固着を解消するときに、量販店で買ったCRCのシリコンオイルのスプレーだ。(CONDORの主管固着時には、これだけを使って固着を解消した訳ではないが、元プロの推薦と『せっかく買った』ということもあり…)
  主管が抜けるまでに、'25年の6月7日~9日まで要した。詳細は以下の通り。

'25.6.7
楽器到着。主管が抜けない。沸騰したお湯を主管部分に掛けて抜こうとしたが、ダメ。
'25.6.8
シリコンオイル、ミシン油を注す。3度。
'25.6.9
シリコンオイルをスプレー。2度。手で主管を抜くのにチャレンジ。抜けた!

  ちなみにミシン油は、ずいぶん以前(多分10年以上前)に、百均で買ったもの。

  3日目にはオイルが浸透してきた(オイルが浸透するまでに3日かかった?)のか、そのまま手でスルッと抜くことができた。

Main Tuning Slide
↑抜けた主管(Main Tuning Slide)

  上の写真は抜けた直後に撮ったもので、見て分かる通り、上側の短いパイプの方にオイルが浸透していて、下の長いパイプの方には、オイルはあまり浸透してなかったようだ。
  上の方を拡大してみると、

Shorter Pipe of Main Tuning Slide
↑主管の短い方のパイプ(オイルで濡れてる)

オイルが浸透してきて、パイプの表面がオイルで濡れている。
  それに対して、下の方を拡大してみると、

Longer Pipe of Main Tuning Slide
↑主管の長い方のパイプ(乾いてる)

短い方のパイプと比べて、明らかにパイプの表面は乾いている。
  もちろん、ミシン油やシリコンオイルは、主管スライドの境目部分に、上も下も、ほぼ同量ずつ注していた。
  前の所有者の主管スライドのケアの仕方が分からないから、『なぜこういう結果になったのか』は不明だが、『少なくともどちらか一方の管にオイルが十分浸み込めば、固着管は抜ける』ということは言えそうだ。

Main body without Main Tuning Pipe ←主管スライドパイプを抜いた本体

  主管スライドの穴の中は見えないが、主管スライドパイプを抜いた本体の画像だ。シリンダーに対して、左右の部分は傾斜してるんやね。正直、あまり意識したことは無かった。
  シリンダーの手があたる部分のラッカーがハゲかけているが、それなりに使われてきた証拠だし、他の部分のラッカーやメッキの残り具合からいえば、十分大事に使われてきた楽器のようだ。



Center of the NIKKAN IMPERIALE CORNET (After processing)
↑IMPERIALE CORNETの中央部分(処理後)

  このあと、すべての抜き差し管を掃除(パイプ部についていた古いオイルやグリスを拭きとった)し、新たにグリスを塗って組み上げた。
  これで何とか、普通に演奏できそうだし、良い感じ!
※ これによって生じる、いかなる不利益も補償いたしませんので、トライされる方は自己責任でお願いします。
(Jul. '25)
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