ジュピター・スライド・トランペット [JUPITER ST314L Bb] |
スライド部分とベル部分のつなぎ目でチューニングする構造になっています。
ピストン楽器と違い、スライド楽器は『グリッサンドができる』という捨てがたい強味もありますが、Flight of the Bumble-Beeのような速いpassageを演奏する際はピストンに比べれば不利な気がします。
また、テナー・トロンボーンとかに比べて楽器が小さい分、1〜7のスライドのポジションもシビアで、使いこなせるまでにはなかなか時間がかかりそう…。
トランペットシャンクで、調はテナーのトロンボーンと同じような気がします(Bbの音階のポジション、1→6→4→3→1→4→2→1)が、Bbとなっています。
以下、ST314Lのデータのまとめです。(Dec. '20)
- 調子:B♭
- ボア:11.48mm
- ベル:B
- ベル材:イエローブラス 120mm
- 仕上げ:クリアラッカー
【スライド・トランペットを使ってきて思うこと】
それなりに使ってきて思うことは、ハイノートとかが出しにくいということはないが、音がバルブ・トランペットに比べて細くて安定性は低い。でもそれはスライド特有のもので、中学時代トロンボーンを3年間続けた自分にとっては、さほど違和感はなく、
(あっ、これトロンボーンの音や!)って感じ。
中3時に、『吹奏楽の県大会でドボルザークの「新世界より」をやりたい!』というみんなの希望が受け入れられた時から、少しの間ユーフォニアム(チェロのパート)をやったことがある。ユーフォニアムについては、マウスピースのサイズはトロンボーンと変わらなかったが、音はすごく太くて柔らかだった。(これはバルブシステムということだけじゃなくって、管の太さも関係してるんだろうけど…)
一つ残念なことは、スライドの長さ。スライド・トランペット(ソプラノト・ロンボーン)は全体が小さくなってる訳だが、スライド部分もテナー・トロンボーンの縮小版になってる。音程をきちんととるためには、スライドのポジショニングに気を付けることは当たり前だが、スライド楽器に不利な『速いパッセージの曲』を演奏する際など、7ポジションでスライドが抜けてしまいそうになる。
元々スライドも縮小されているので、テナーやバスのトロンボーンと違って『手が7ポジションにとどかない』ということは無いのだから、
(『8ポジション』まで作っておけば良いのに…)と思う。
思いを叶えるためには制作会社に個人発注で頼むしかないが、スライド・トランペット(ソプラノト・ロンボーン)は、楽器的にはもっとメジャーになっても良いんじゃないかという気はするし、そうなった時には、8ポジションまであることが標準になっていても不思議はない。(Jun. '21)
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