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ピストンボタンのフェルト交換
[TANABE Cornet]

  TANABEコルネットのピストン&バルブについては、バルブ内の『ヘタった下バネ』の交換をして、コルネットとしての普通のピストン操作ができるようになった。ただ、ピストンを操作する時の『カタカタという音』が気になる。この楽器は(バルブキャップ)上フェルト式ではなく、ピストンボタンの下にフェルトがある方式だ。

Pistons of the TANABE Cornet
↑上から見たタナベ・コルネットのピストンボタン(笠上にフェルトはない)
上から見た画像では、高級そうな天然貝のインレイがはめ込まれたピストンボタンと真鍮製のバルブキャップが見えるだけで、フェルトらしいもの(振動吸収材)は見えない。

  ピストンボタンをピストン軸から外して、裏返すと、

Original PistonButtons & New Felts
↑コルネットに付いてたピストンボタンとストックのフェルト

付いてたピストンボタンには古びた(元は緑色?)のフェルトがへばりついていた。(下はストックしてた新しいフェルト)

Piston Buttons & Stocked Felts & Original Felts
↑ピストンボタンとストックしてあったフェルトと外したフェルト

古いフェルトをキリを使って外して並べてみた。古いフェルトを外した後のピストンボタンの裏面は思いの外きれいだった。
  斜めから見ると、

Original Piston Buttons
↑斜めから見たピストンボタン

右端のだけ少し違う(先が尖ってない)が、特定のピストン軸にしか入らないという訳ではない。(でも、さすが手作り…)フェルトを外した面は、どれもそれほど汚れてないのがこの画像からもよく分かる。

  ピストンボタンを外したあとの本体側は、

Valve Stems & Caps

↑上から見た笠とピストン軸

このあたりのピストン軸のネジ穴やバルブキャップも、職人さんが一つずつ仕上げていったんだろう。そう考えると、何だかこの楽器がいとおしく思えてくる。

  横から見ると、

Valve Stems & Caps
↑横から見た本体側(ピストン軸とキャップ)

1,2,3の番号が刻印されている。
(2ndだけ半角?)1st、3rd軸上の刻印は全角文字のようなのに、2ndピストン軸上の文字は少し幅が狭く、全角文字には見えない。

  2ndピストン軸上に刻印された文字を拡大してみると、

2nd Piston
↑第2ピストン(左)軸の刻印部分の拡大図(右)

(なーんだ…)同じ大きさの全角文字の刻印が重ね打ちされてた。(さすが、手作り!?)

  バルブの表側には、全角のきちんとした刻印。

Numbers of the Valves Part
↑バルブ表側の刻印(使用時はピストン上部の突起がバルブ内の溝に入る)

(こっちは広い場所やし、打ち間違えんかったんやね)何より!

  結局、ここで使ったのはキリだけ。キリを使ってフェルトをねじ込んでいく感じ。

Tool & Piston Buttons & Old Felts
↑キリと作業中のピストンボタンと外した古いフェルト

完成はこんな感じ。

New Piston Buttons & Old Felts
↑作業終了後のピストンボタンと古いフェルト

  ピストンボタンを取り付けると、

New felt-backed Piston Buttons
↑新しいフェルト付きのピストンボタン

これで完成!いい感じだし、ピストン操作をしている時の音も気にならなくなった。

【蛇足1】
  3本のピストン軸の下側(バルブケーシング内に納まる部分)に『72』の数字が刻印されている。1,2,3なら分かるが…。

Valve Stems 2
↑ピストン軸の下部に刻印された『72』の数字

どのピストン軸にも72の数字が彫られているのだ。なぜ?

Logo & Serial Number
↑第2ピストン上の田邊楽器製作所のロゴとシリアル番号

第2バルブ裏側に刻印されているシリアル番号は8972。『72』はその下2桁なのだ。
(分かった気がする!)手作業で複数のコルネットを作成するにあたり、シリアル番号:8972番以外の他のコルネットのピストンと違えないようにするためだ。少なくとも、この時代に田邊楽器製作所で作られたコルネットについては『部品の互換性は保証されない』ってことになる。もし、この楽器が壊れて使えない状況になった時、壊れてない部分を『同じTANABE Cornetの部品取り』としては使えない確率が高いってことだ。
  タナベ・コルネットのとこで、「自分は『手作りだから高級品で優れている』ということにはならないと思ってる」と書いたが、良くも悪くも手作り楽器…。

※ 不思議なエリスのとこで書いた各スライド上にあった『不思議な2の刻印』も、作成中の一つの手作り楽器の部品を他の楽器の部品と違わないようにするためのものだとすれば合点がいく。

TOKAN ELLIS Serial Number
↑TOKAN ELLISのシリアル番号(歪んでるんだけどバルブ内は大丈夫かな…)

  ちなみに、この時のTOKAN ELLISのシリアル番号は82512だから、その下1桁の数字『2』を刻印していたことになる。下1桁の数字で仕分けて制作してたとすれば、0〜9までの10個の異なるELLIS等の手作り楽器の部品を分別できるし、10個以下なら、同機種の楽器であっても、同じ作業場内で、それぞれ別々に作り上げられる訳だ。

【蛇足2】
(これは何?)リードパイプ上に『12』の刻印。これはどう見ても72ではなくて12。『(TANABE Cornet)12』という機種名?

Number on the Lead Pipe
↑リードパイプ上の数字『12?』
Lead Pipe上にある刻印については、機種名(SchilkeのB5やX3等)や製造会社名(KAWAIやCarolBrass等)あたりが普通なのだが、これについては今のとこ全く分からない。『72の打ち間違い』ってことも無さそうだし…。(タナベ・トランペットの『K』&『NO 2』についても、これが機種名でないとすれば、いまだに不明)

※ これが『72』の刻印だったら『シリアル番号8972の本体』に取り付けるためのLead Pipeってことになるんだろうけど…。

※ これによって生じる、いかなる不利益も補償いたしませんので、トライされる方は自己責任でお願いします。
(Jul. '26)
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